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その日―夢を見た。
そこは不思議な空間で、紫色をしていた。ところどころに目のようなものもある。
「ここは…何処だ…?」
試しに声を出してみる。普通に声は出せるみたいだ。
『ようやく入れたわ…流石、あの子の子供ね』
「…!」
不意に、女性の声が響く。すると、目の前に紫を基調としたドレスのようなものを着て、帽子をかぶり、日傘を持った女性がいた。いや、『現れた』。
「あなt『時間が無いわ、手短に用件だけ伝えるわ』…」
話しかけようとしたら、思い切り遮られた。用件…?何だろうか?それより、どこかで見たことがあるような…
『これを受け取りなさい』
女性は何処からか紫色の御札を取り出し、渡された。何やらいろいろな模様が描かれている。これと似たような札を家で見たな…。
『その御札を持って、貴方の家の近くにあるさびれた神社に行き、御札を掲げなさい』
「…分かった」
一方的な会話だったが、内容は理解できるものだった。
『…そろそろ時間切れね』
女性の言うとおり、空間が歪んできた。
『それじゃあ、またいつか。といっても、すぐに会うことになるけどね』
「…!それはどういう…っ!!」
急に意識が遠のく。
『じゃあねぇ♪』
最後に、妙に明るく、母さんに似た声を聞いて。
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