180人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
頭が痛い…。
頭の中に映像が流れる…。
何だろここは…時代劇に出てきそうな場所だ…。
その細い路地で袴を着た男が走ってる…。私は急いでその人を追いかけてる。
そして、その人が焦って立ち止まった。どうやら行き止まりだったらしい…。
男の前には木の塀があって、飛び越えようと思っても高すぎて無理だろう。
私は口角をあげて鼻で笑った。
「どうやらここまでみてぇだなぁ…。
大人しくしてりゃぁ何もしねぇよ」
私がその人に言った。
嘘だ。私はこの男が何をしようが殺そうとしてる。
「何もしない?ふん、嘘付けよ!何しようが殺すつもりなんだろ?壬生狼さんよ…」
壬生狼…?
聞いたこと無いはずなのに何だか懐かしい…。
「分かってんじゃねぇか。
じゃあ吐け!…お前等は何がしたい?」
私は左腰に指してた刀を抜きながら言った。
抜いた後は刃をその男に向けた。
嫌だ。人なんか殺したくない。そんな思いを押し殺しながら刃を向けていた。
最初のコメントを投稿しよう!