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今日は8月21日…。夏休み最後の日曜日。
この日は明輝にとって大切な日だった。
明輝だけじゃない。
雄もそうであり、家族全員がこの日を大切にしていた。
特に明輝は人一倍、この日を大切している。
「…そぅいやぁさぁ、最近薫さんとはどうなんだよ?そろそろ結婚とか考えたら?もう27なんだしよ…親父も心配してんぞ?」
明輝と雄は10歳、年が離れていた。
そして、2人を育ててくれた父と3人で暮らしており、たまに雄の恋人、薫が泊まっていたりした。
明輝も薫の事を気に入っていて、薫を姉のように慕っていた。
「ばぁか。俺と薫はまだそんな関係じゃねぇよ…それに今は俺もあいつも忙しいんだよ、餓鬼が余計な心配すんな…」
「誰が餓鬼だ!兄貴にとっちゃ餓鬼だろうが、私はもう17なんだよ!!もう女性って言っても良い年だっつぅの!!」
明輝は雄によく餓鬼呼ばわりされる。
それが一番嫌いだった。
「…よく言えるな…そんな男勝りな女、女性なんて言う奴いんのかよ!おまけにまだ高2だろ?まだ餓鬼だ、餓鬼!」
「うっせぇよ!!てか、さっさ仕事行ってこいよ!!遅刻するぞ!!」
明輝は「はい、はい」と言いながら鞄を持って玄関に行く雄を見ながら思い出したように言った。「あぁ、私今日帰らないから家のことよろしくな…」
玄関の方に顔だけ出して、靴を履こうとしている雄に言った。
「分かってるって…てか、お前こそ大会行かねぇのか?」
「私は午後からなんだよ。
仕事頑張れよ」
「あいよ、行ってきます」
靴を履き終わった雄がドアに手を掛けて言った。
「行ってらっしゃーい」
そうして、1人になった明輝はリビングで早めにパンを食べて、急いで鞄をもって出て行った。
まだ7時30分、大会には早すぎる時間帯だった。
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