序章

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8月21日、13時00分。 明輝は友達の佐川鈴(サカワスズ)と一緒に大会が行われるアリーナにいた。 実際、鈴は大会に出ない。 それどころか剣道もやっていない。 明輝の応援に来たのだ。 明輝には来なくて良いと言われていたのに、「格好いいところ見たいから」と言って勝手に着いてきていた。 「…ねぇまだ行かなくて良いのぉ?あたしもぅ立ち疲れたんだけどぉ…」 鈴はそう言いながらしゃがみこんだ。 「良いんだって…私等は1時半に集合なんだよ…」 「じゃぁ何でこんな早く来たのぉ…明輝が考えてること分かんなぁい…」 鈴が拗ねてきた…。 鈴が拗ねたら後がめんどくさい…そう思いながら鈴を見ていた。 「勝手に私が来たときには鈴はここにいただろ…。 勝手に人のせいにするな…」 「だって家に行ってみたらもういなかったんだもん…。 だからもう来てんのかなって…そう思って来てみたら誰もいないんだもん…」 鈴は11時にここに来ていた。 これを聞いたときには物凄く呆れてしまった。 「じゃぁ、何時からかメールで聞くなり何なりすればいいだろ…」 「今日朝にメールしたけど気付いてないじゃん」
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