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目を開けるといつも見ている天井があった。
そして目を開けた同時に藤堂の声がした。
「明輝大丈夫か?」
頭に手を当てながら起き上がった。
「わたし…一体…」
「急に倒れたんだよ!
ちょっと待っててみんな呼んでくるから!」
そう言って藤堂は焦って戸を開け閉めずに何処か行くのを明輝は倒れる前のことを思い出しながら見ていた。
そして思い出し、手を見ると震えていた…いや、体が震えている。震えている体を抱きしめ震えを抑えようとした。一向に止まりそうになく逆に酷くなっていった。
そして自然に涙が出てきた。
何故かは分からない。
ただ一つ分かるのはこれは悲しみの涙ではないことだけだ。
恐怖……。
確かにあの顔は夢に出てきた顔だ。
正夢になるんじゃないかという恐怖。
この涙は恐怖なんだ……。
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