序章

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明輝は疑問符が浮かんだ。 そして鞄の中から携帯を取り出して画面を見た。 その画面は真っ黒だった。 「……ごめん…電源切ってた…」 「ほら!明輝が悪いんじゃない!人のせいにしないでよ!もぉ…暑い中3時間も待たされる事になるなんてなんて思わなかった……」 明輝は鈴の自分に対しての愚痴を聞きながら携帯の電源を入れた。 メールが2件、着信が11件きていた。勿論全て鈴からのものだった…。 「だからごめんっつってんだろぉ!? ねちねち言うなよ、めんどくせぇ」 「ちょっ!そんな言い方無いでしょう!?もう少し明輝は女の子らしくしたらぁ!?」 「別に女だからって女らしくする必要ないだろ? 個性ってもんだよ。個性はそれぞれ一人一人違うんだし…。 『みんな違ってみんな良い』って言葉あんだろ?まさにそれだよ」 明輝はそう言いながら、めんどくさそうな顔をして頭を掻いた。 「…個性と女の子らしくするのは少し違う気がするんだけど…もう良いよ…めんどくさくなってきた」
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