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「あんた…聞いてたの?」
襖を開けると壁に腕を組んでいる沖田が寄りかかっていた。
「いいえ、ただ明輝さんが帰るとき一人になるから待ってたんですよ。そしたら聞こえたんです」
そう言うとニコリと笑った。帰りましょうか、と言うと明輝の後ろから土方が出てきた。
「総司てめぇ…盗み聞きとは良い度胸だなぁ、あぁ!?」
「土方さん、言ったじゃないですかぁ、聞こえただけだって」
「聞こうと思って待ってたんだろ、どうせ」
「あ、やっぱりばれちゃいましたか。まぁ、良いじゃないですか。聞いて損はないでしょうし、それに芹沢さん達に聞かれない方が良いと思って見張ってたんですよ」
明輝はそれを聞いてふっと笑うと、そうか、と言った。
「それはそれはどうも。じゃ、部屋戻るよ」
明輝が沖田の部屋に向かおうとしてるのを沖田は「待ってくださいよ」と言いながらついて行った。
「何なんだあいつ」
土方は二人を見ながらそんな事を呟き、部屋に戻った。
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