芹沢一派

3/15
前へ
/134ページ
次へ
「芹沢さん、どこ行ってはったん?」 芹沢が自室に戻ると一人の女、芹沢の妾であるお梅が座って待っていた。 「ちょっとな…此処で預かることになった女を見に行ってきた」 お梅は芹沢の顔を覗きこみながら言った。 「ほうなん?私より良い女やったん?」 お梅は芹沢の膝の上に手をのせ、いじけてきた。その女、明輝に嫉妬心でも抱いたのだろうと芹沢は思った。 「何故そう思う?」 「だって、芹沢さんの顔楽しそうなんやもん」 「あぁ、確かに面白そうな女だったな…。今度お前にも紹介しよう」 「ほんま?嬉しいわぁ…」 そんな話をしている時に話に入ってきたのは新見だ。 「私はやめた方が良いと思います。お梅さん、貴女嫌な顔されるかも知れないんですよ!局長の顔を見た瞬間、倒れたんですよ」 お梅はあら、と言いながら手を頬に持っていき少し考えた。 「まぁ。其れは芹沢さんが怖かったんやない?背も高いし、大きいし、うちも最初は怖かったし」
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加