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「芹沢さん、どこ行ってはったん?」
芹沢が自室に戻ると一人の女、芹沢の妾であるお梅が座って待っていた。
「ちょっとな…此処で預かることになった女を見に行ってきた」
お梅は芹沢の顔を覗きこみながら言った。
「ほうなん?私より良い女やったん?」
お梅は芹沢の膝の上に手をのせ、いじけてきた。その女、明輝に嫉妬心でも抱いたのだろうと芹沢は思った。
「何故そう思う?」
「だって、芹沢さんの顔楽しそうなんやもん」
「あぁ、確かに面白そうな女だったな…。今度お前にも紹介しよう」
「ほんま?嬉しいわぁ…」
そんな話をしている時に話に入ってきたのは新見だ。
「私はやめた方が良いと思います。お梅さん、貴女嫌な顔されるかも知れないんですよ!局長の顔を見た瞬間、倒れたんですよ」
お梅はあら、と言いながら手を頬に持っていき少し考えた。
「まぁ。其れは芹沢さんが怖かったんやない?背も高いし、大きいし、うちも最初は怖かったし」
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