五刻「灰雛と小さなオルゴール」
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「だからね、病気で死ぬわけにはいかないの。もうたぶん長くないらしいから……どうせ最期の日が来るのなら、私はその日を私の意志で、私が決めたいの。これくらい、わがままでもいいでしょ……?」 そしてまた屈託なく笑う。一体この子はどれだけ笑顔が好きなんだろう。その彼女の願いに、私は躊躇でしか答えることはできない。 「ねぇ、お姉ちゃん!」 彼女は笑顔のまま唐突になにかを思いついたような顔をする。
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