一刻「灰雛は産声をあげる」

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真夏の焼けただれたアスファルトの上で空気が凍てついて音を消す。確かに響いていた都会のど真ん中での雑踏に一寸の無音。 途端、視線が槍のように差し込まれる。「あ~ぁ、やっちゃった」「いわなきゃいいのに、馬鹿だなぁ……」 心の声が手に取るように声が丸聞こえだ。 これが普通。 所詮人間なんてこんなものでしかないもの。 助けてもらえるなんて思った?(笑) かわいそうって思ってもらえるって思った?(嘲) 誰かがなんとかしてくれるなんて、思ったの?(哂) バッカじゃないのぉ? そんなのあるわけないじゃない(笑) 所詮はみんな傍観者、安全な場所からの高見の見物。 私は期待したことなんて、無い。 でも、楽しいじゃない? こんな風に……ゴミ蟲どもが、偽善っていう仮面をとっぱらってゴミ蟲っぷりを晒し出すのって……そう思わない? いつもこうして言い聞かすの、教えてあげるの。 まだ人間な私自身に、この世界の絶望を。
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