三刻「灰雛は血染めの羽衣を纏う」

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その夜を境に彼女は消息を絶った。 というより、こちらが足取りを掴めなくなった、というのが正解だろう。 「まりー、彼女の居場所は!?」 まりーは首を横にフルフルと振ってみせる。 「そりゃ……そうか……くそっ!」 「……」 まりーの心配そうな瞳が焦る自分を見つめている……。 もう彼女こと、灰奈は人間ではない。 相手が人間ならばまりーが居場所くらい突き止めるくらいはどうということもない。 だが、灰奈は人間ではなくなった。 ならば、その居場所はまりーでもわからない。 「どこだ……どこに居る……?」 産まれたばかりの雛は一度堕ちればはい上がれはしない。だから……いましかない。
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