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俺は愕然とする。
気付いたら、咄嗟に駆け出していた。最終専攻に残った作品は、今日全てホームページにアップされている。パソコンルームがまだ開いていれば見られるはずだっ!
『吹っ切れたんなら、聞きたいんだけどさ……。なぁ、お前、あれだけこだわった作品をさ、最終専攻前に手直し期間が与えられるからって、なんであんなに変えたんだ?
お前言ってたじゃないかよ、もうこれ以上できることはない! だから、俺は最後までこれでいくんだっ!! ってさ。あんな満足げなお前の表情、いままで見たことなんて数えるくらいだったからな・・・。なにか、あったのか? もしあったんなら、俺に相談してくれりゃよかったのに……』
――そんなはず……――
『俺も、お前のその意思に作品にすげー魂がこもってるって確信して、優勝を疑わなかったんだが……でも、まあ、お前が変えたいと思ったんじゃ仕方ないわな……』
――そんなはず、そんなはずないだろうっ!!?――
『え? 違う? なに言ってんだよお前……そうか、お前今日は会場に来てないんだったよな……発表が怖いから、電話通知のみで待つって……。そっか……でも、あれは間違いなくお前の作品だったぞ……?』
――バタンッ!!――
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