三刻「灰雛は血染めの羽衣を纏う」

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これでもかというほど勢いよく、パソコンルームの扉を開く。 幸い、誰も居なかったようだったが、そんなことはどうでもよかった。俺は、ついてあるパソコンの前に勢いよく座る。 検索「20××年 鳳出版主催次世代○○コンクール」。 検索結果を待つ数秒がじれったい。イライラする。ムカムカする。 優勝作品。 「……やっぱきれい……だな」 優勝した麗らかな後輩の作品に、嫉妬どころか息を呑んだ。 だが、いまは見とれている暇などはない! 最終専攻作品一覧。 「なっ……!!?」 驚きも通り越していた。驚愕し、愕然とし、座った椅子を驚き立った勢いで蹴散らしたほどに。 確かに素人目には、そんなにわからないかもしれない……。 だが、それは確かに変わっている……俺の作品ではない。何かが付け足された別の……いや、もうまったくの別種といってもいいほどの……バランスを壊す色、意味を消し去る配置……それが、自分の作品を否定するそれらが………その絵には描き足されていた。
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