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「お前か! お前かっ! お前かっ!! お前か、お前か、お前が、お前がっっ!!!」
彼女の襟元を掴んだ俺はずいずいとその低いフェンスのほうに彼女を押しやる。そして、フェンスから少し上体がはみ出した状態で彼女に詰め寄った。
「お前がぁぁぁぁぁああ嗚呼ぁ嗚呼ぁあっっっ!!!!!!!!」
「そうですよ?」
なんの悪びれもない声が聞こえた。あっけらかんと、さも当然のように。
そう、その泣き顔は自分の思っていた通りに事が運ばなかったから泣いただけだったのだ。
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