四刻「灰雛と日常と現実と非日常と非現実と」

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「ネットなどではすでにあなたは都市伝説化し始めています……というよりも根底には既にあなたのような存在はあったんですけどね。『制服の死神』だそうですよ?」 「……意外性ゼロね」 「けれど、注目すべきはそこじゃない。『死神』ということです。これはあなたにとって不本意では?」 「……」 「そうですか……。あなたは別に死神ではないですからね。でも、人殺しのあなたは……本当にあなたが望んだ神でしたか? それとも望まれたことだと思いますか?」 「どういうこと?」 「そうですね……質問を変えましょう。あなたが人間の時には持ち得なかった力。いま使えるその力が自然と身に付いたとでも思いますか……?」 「それは……」 どうでもいいと考えることをやめていた。否、考えても仕方ないと思ったのだ。思春期のガキな思考でもないのだから、答えがないものを考えても仕方ないと。それよりは、この力をどう使うのかそういったことに考えを回していた。だからその質問への答えを持ち合わせてなどいるはずもなかった。
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