四刻「灰雛と日常と現実と非日常と非現実と」

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私のしびれはとうに切れていた。試したこともない負荷を両足にかけてみる、いま自分の怒りの矛先を、この嫌な胸やけの先に向けて、私は蹴りあがった。 それは途端、途方もないスピードとなって風圧が全身を強く圧迫する。まるで傘を持って向かい風の暴風に向かうようなものだった。 でも、痛みもなければ、異変もない。怒りに身をゆだね、通常有り得ないという違和感は取っ払われている。 さあ、私は誰を裁けばいい?私は誰に悲惨さ、この神の無慈悲を教えればいいの?
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