四刻「灰雛と日常と現実と非日常と非現実と」

26/42
前へ
/382ページ
次へ
「たすけ……」 「助ける……? まさか……。こんな目にあったのは自分はまったく関係ないとでも言うつもりなの? その格好で?w なにそれ、笑えるわね! 注目集めるためにそんな服で一人で外を歩いて、それで雄をいままで散々漁って、身体売って、遊んで、呆けてる感じが雰囲気からすらにじみ出ちゃってるお前が、なに、この状況で助けてもらえると思ってたんだ? へえ、人間ってなにも分かってない能無しの生物なのね~。あーあ、かわいそ」 「……っ」 身体がもう動かない。だから、なにも言えない……。だけではなかった。それが事実で言い返せなかった。意地という心に張った自分を守る保護膜も、いまはそれを強化して抵抗する力すらない……。思考は鈍る一方だ。 「自分の価値を下げて得た周囲からの好意、それがどんな好意であれ、お前が募集したものでしょう? なら、お前の責任にしかならないのよ。さ、幸せだと思っていた夢の続きは死んでから見ることね」
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加