四刻「灰雛と日常と現実と非日常と非現実と」

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と、直上から落ちてきた人間はてへへと苦笑しながら、軽く反省をする。 「いっつも着地はやーっぱり失敗するんだよねぇ……大丈夫だったぁ?」 まだ一面の砂埃の中、相手の姿は見えない。さすがに衝撃で地面は大きくくぼんでいる。が、その地面はまるで流砂のようだった。 「だからお前はやりすぎなんだ……」 最悪な声が聞こえた。 悪寒がこれまでとない以上に身体を引き締め身震いさせる。 「ごめんってばぁ……」 (こいつだ……!!) そう、先ほどとまったく声は同じ、声色も同じなのに……何かが違う。否、それだけでまったく異なるものとなっている。優しさ交じりのさっきの奴とはまったく違う……こいつは……!!
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