115人が本棚に入れています
本棚に追加
「なにをした!!」
私は奴に問う。
が、応答を得たのはそちらではなかった。
「ねっ♪ 私の話聞いてくれてた、お姉ちゃん?」
「あんたのお姉ちゃんになんてなったつもりはないっ!」
「……。あっそ」
興味なさげにそう答えたあと、瞬時に人差し指を私の顔に向け突き立てる。その距離数センチ……。
「あーあ、もう、ダメだろう? ユリアナ」
「だっ、だってぇ……」
その間に割って入ったのは他でもない、季節をわきまえない白いコートに身を包んだ聖と呼ばれた灰色の髪をなびかせる奴だった。
さっきの2人連れの片割れととても似ている……。特徴の違いこそ多々あれ、そっくりだった。だが、冴えないさっきのバカとは雰囲気が明らかに違う。
最初のコメントを投稿しよう!