四刻「灰雛と日常と現実と非日常と非現実と」

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くっと私が男を睨みつけると、同時にユリアナがこちらを殺気と共にロックし睨みつける。 戦々恐々。 こうなれば、もう誰かが動けば誰かが倒れている状態になるだろう。 だがそんな中に居て、奴は緊張感など感じさせないにやけた表情で、こちらを見ている。 私にはまだやるべきことがある。ここで相打ちになるわけにはいかない。 だが手を伸ばせば届く距離に居る。こんなチャンスあるともわからない。どうする!? どうする……? 嗚呼。そうか……そうだ、私は。 「神だ」 そう、神がなにを躊躇うのか。神だと自らを語らうのなら、名乗るのなら、創造主たる神がなにを恐れることがある! 溢れ出す憤りを、さあ! 私の心の一点に集中させろ!! 「っ!!」 次の瞬間、私は動けなくなる。いや違う、身体ではなく、心を鉄の鎖で締め付け上げられたような……。 「くふふふ♪」と奴の少し後ろでユリアナが嘲笑する顔が見える。 「この子わっかりやすいね~♪ 流れがバレバレ(笑)」
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