四刻「灰雛と日常と現実と非日常と非現実と」

41/42
前へ
/382ページ
次へ
青年が私に背を向けると、かわいらしいフリルの似合うドールも悲しい眼差しを私に送りながら背を向ける。 そして飛び上がったかと思うと……再びそこには私だけが取り残されていた。 あまりにも違う……正反対とも言える二組がこの場から去った。彼らが何者かはわからない、なにが目的で、お姉ちゃんがなにをしていたのかも……わからない。けれど、お姉ちゃんを知る人物が突如これだけ現れた……。突然死んだ姉……親以外もうお姉ちゃんに関わる人は出てこないと思っていた……。お姉ちゃんの幻影に縛られることもないと……。 でも違った。 知る者たちが現れて、再び私はお姉ちゃんの消えない幻影と比べられる視線の中にある……。神だなんて……くだらない。思い上がってもいなかったけれど、言い放ったことが恥ずかしい。恥だ。汚点だ。黒歴史だ……。
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加