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「…あ、いや、上がったってのは語弊があるか…」
「~~~~……もう!じゃあ、なに!」
珍しくもなよなよと語る真宮に遂に憤慨した入野。
ダンッ!
店内に響いた机を叩いた音が「ここでなにかあった」ことを知らせる。
入野もすぐ衆目にたじろぎ肩を竦めた。
……だと、言うのに真宮は少し入野を見るだけ。
「……真宮……はっきり言ってくれなきゃ、私だってわかんなかったり…」
「……だよな」
頬を紅く染め上げ、うつむきながら紅茶をすする入野の声は消え入りそうだった。
店内に流れるアップテンポのジャズ曲がやけにうるさい。
…そして、ようやく決心がついたかのように真宮が口を開いた。
「ーーlevelは上がった。空力使いのlevel2だ」
「…うん」
今までの反応からこれで終わりじゃないとわかっていた入野は頷くだけだった。
「ーーと、電気使いのlevel3」
「ーーえ?」
……わかっていても驚くこともある。
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