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「ーーそれって多重能力(デュアルスキル)じゃーー」
「おまっ!」
慌てて向かいに座る入野の塞ぎにかかる真宮は少し滑稽だった。
そんな真宮にお構いなしに口元の手を自分の両手を使い下ろして入野は言う。
「別にこれぐらい言ってもよかったりよくなかったり!」
「ダメに決まってんだろ!まだ確定した訳じゃないし!下手したら学園都市が揺らぐことだぞ!」
「はあ!?」
真宮の言うことは誇張のようで案外的を得ていた。
今度は二人して口横に手をおいて声を殺して話を続ける。
「…どうしてそれで学園都市が揺らいだり揺らがなかったり?」
「…能力開発においての基礎…自分だけの現実(パーソナルリアリティー)…」
"自分だけの現実"とは能力者それぞれが持つ能力への創造性で簡単に言えば妄想、想像である。
これによって能力は決まり、また逆の推測も可能とすることができる。
「多重能力はそれによって否定されてる……もっと言えば理論上存在しない」
その意味を入野は理解した。
「能力理論のカリキュラムが無くなる……?」
「土無くして花さかずってな。まあ、一時的かもしれないし能力開発そのものが無くなるとは思えないけど。
少なくとも惰弱な理論を信用して子供預ける親は減る」
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