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「……?」
ーーが、何も起こらない。
お互い顔を見合わせ怪訝していれば入野が不意に小バカにしたように表情を崩す。
「しーんーぐ~~~
もしかして今までの話しぜんぶーー」
「ちげぇよ!んな、ハズはーー!」
慌てて釈明する真宮だが、それをいにも返さず入野は続けた。
「はーいはい、実はあれでしょ?
私とまた二人きりになりたいから超能力者とか多重能力とか、そのせいで不安だーとか嘘に嘘重ねちゃったりなかったり~?
もう、そんなことしなくてもファミレスぐらいいつでも付き合ってあげるのに~///」
最早完全に茶化しにかかっていた。
なんなら馬鹿にしていた。
「ああ!ちげぇってんだろ!
くそ!それなら電気を出してやる!」
対して、まだあきらめ悪く足掻く男。
入野は変わらずにやけ顔でいる。
腹をたてたか、このまま入野の言い様な解釈で修まるのが癪か、はたまた両方か。
何にせよ真宮の男のプライドに触れている結末を本人は許さない。
無気力ではあるが淡白ではないのが真宮 真人であった。
「おらぁ!」
「クスクス」
そして、完全にはしゃいでいるようにしか見えないその姿は店内ではよく目立つ。
「……やれやれ、相変わらず退屈しないやつが多いな……学園都市は
まあ、いつもの不幸が俺にこないだけ全然良いんですけどねぇ」
客の一人がそう呟いていた。
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