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(ーー何故ならおれは平穏が好きだから……
level5の知り合いなんて無能力者である今の俺にはトラブルの火種にもなりかねん……
向こうから来たときは……雑談ぐらいはすっけど……)
何て、心のなかで独り言を呟くと橋に背を向け歩きだす真宮。
飲み終わった紙パックは近くに設置されているゴミ箱に投げ入れようとした。
パコッ
……情けない音をだしてハズレる。
「……へいへい、ちゃんと入れますよっと
みんなで使う学園都市はみんなでキレイにしましょうってな」
さっき通りすがった自動販売機に張られたポスターのキャッチコピーだ。
再度拾い上げたそれを今度はちゃんとゴミ箱に入れる。
終われば、今度は視線を空に見上げて星明かりと月光のみが照らす第七学区であるここら一帯を見渡した。
「……人工の光なしで見える星ってのは思ってたより、ずっと綺麗なもんだ……」
独り言。
やがて予備電源に代わってしまえば無くなるであろう、この景色を少し楽しむことにしたようだ。
歩く歩幅はいつもより小さく、次に次へと向かいたがる足を抑えて、
真宮は考える。
明日からは夏休みなのだ。やりたいこともやらなくてはいけないことも沢山ある。
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