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「ーー……はっ……は?」
どんなに理解しようにも思考が頭に追いつかない。
この時点での真宮の判断能力は皆無と言ってもいい。
しかし、目の前の男が一体何をしたのか……それ自体の理由は求められた。
それは原始的でもっともシンプルでそして、なにより
不可解だ。
ーー再び思考が再開されたのは数秒後。
真宮にとっては一瞬ともとれた時間。
四人ともがこちらを向き、恐らくは先ほどの者と同じフルフェイスがこちらに近く。
ーー真宮は迷わずその場から逃走した。
誰かに助けを求めるためではない。ただ、ひたすらに自分の"生"を
続けるためーー
「……ハッ……ハァ……!!」
まだ、数メートルも走ってないというのに息があがっていたが、今度は考えることをやめない。
(なんだ……!なにが起こってんだ!!
考えろ!考えろ!!考えろ!!!
今の状況、俺と相手の状態、環境、互いの利害、次点の予想、そこから抽出した情報から出された選択肢ーーもし、一つでも選択を誤れば俺は恐らくーー
ーー……殺される!!)
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