プロローグ

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サダ ハルミ[当時15歳]は細長い煙突の先から上る黒煙を、ただただ眺めていました。 正直、ハルミには何故周りの大人達が悲しんでいるのか、全く理解できませんでした。 先程から俯き加減でタバコをふかし一言も喋らない父親の事もです。 ハルミは思ったのです。 いつか自分も大人になったら、理解できるのだろうか…… そうして、ハルミはまた天高く上っていく黒煙を見ました。 ハルミは最後まで母親を好きになる事ができませんでした。
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