最終章にして第一章

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「「あの……」」 声が重なった。ハモった。いや、もはや同化してる。一つの声みたい。 このハモりのせいで、二人とも黙り込む。 やばい、すげえ気まずい。半端無い。 でも、また黙って時間を食うわけにもいかない。 目の前の彼女も、話すタイミングを伺っているだろう。 こうなったら……! 「あ、」 「あのッ……!」 完全にやっちまった。彼女が何かを言い掛けた瞬間、俺は大声で声を掛ける。 畜生……なんてタイミングだよこの野郎……。 だがしかし、ここまで来てしまったら、もう後戻りはできん。 喋るしかない。 気がつくと、俺のマイケルだかボブだかトムソンだかは分からないが、俺のマイボムソンは静かに収縮していた。 い、いけるっ……今しかチャンスはねえっ! 「やっぱり、違いますよねぇ……」 何言ってんだ俺!
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