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「「あの……」」
声が重なった。ハモった。いや、もはや同化してる。一つの声みたい。
このハモりのせいで、二人とも黙り込む。
やばい、すげえ気まずい。半端無い。
でも、また黙って時間を食うわけにもいかない。
目の前の彼女も、話すタイミングを伺っているだろう。
こうなったら……!
「あ、」
「あのッ……!」
完全にやっちまった。彼女が何かを言い掛けた瞬間、俺は大声で声を掛ける。
畜生……なんてタイミングだよこの野郎……。
だがしかし、ここまで来てしまったら、もう後戻りはできん。
喋るしかない。
気がつくと、俺のマイケルだかボブだかトムソンだかは分からないが、俺のマイボムソンは静かに収縮していた。
い、いけるっ……今しかチャンスはねえっ!
「やっぱり、違いますよねぇ……」
何言ってんだ俺!
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