最終章にして第一章

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はぐらかすな! 逸らすな! ストレートに言えよ俺! ああ……俺ってつくづく馬鹿だ。 そう思いながら、彼女を見る。 「……あ、うん……。すみません……」 なんで君が謝る! 悪いのは俺だから、全部俺! いや80%は俺! 違う! 100%木村が悪い。 「あのさ、実は……」 「私が間違えてた、んだよね……」 うん、とっても良い娘。この娘とっても良い娘。 どうやら、俺が説明しないでも分かってくれたらしい。彼女は更に顔を紅潮させ、でも真剣に此方を見て話す。 「本当は私に声掛けた訳じゃ、無いんだよね……? 前歩いてた人に声掛けたんでしょ?」 うん……はい。そうです……。 「私、名字木村だから、てっきり……」
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