序章-ハジマリハトツゼンニナノ-

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「あっつ~」 9月初めの昼下がり、自室でパソコンに向かって座っている男――神谷翔(カケル)は呟いた。 今年の夏は例年に無く暑く、9月に入りそろそろ涼しくなるかな~、なんて期待していた翔の心を粉々に砕いていた。 今日もご多分に洩れず、太陽が絶賛核融合中で、その莫大な熱量を地球に向けてこれでもかと言わんばかりに放射している。 昨今、二酸化炭素を筆頭とする温室効果ガスによる地球温暖化が嘆かれているが、地球温暖化の原因は温暖化ガスなんかではなく、単純に太陽が気合いを入れて核融合しているから、その熱量がいつもより増えてるだけなんじゃなかろうか?と密かに思う俺がいる。 だって、俺が小さなころより絶対日差しが強い気がする。 太陽も少しは休めばいいのにな… どうにもならない事をぼんやり考えながらも、翔の意識の七割くらいはパソコンの画面に向いていた。 パソコンの画面には某動画投稿サイトで月タイプな元同人が作った、運命が夜にstayしてるようなアニメの【MAD】が流れていた。
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