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先ほどまでは某SNSサイトにて暇潰しに小説を書いていたのだが、この暑さに頭がギブアップし、相棒(パソコン)を立ち上げお気に入りの動画を見ていたのだ。
「ん~、それにしてもカッコいいよな、この弓兵。」
動画も終盤に差し掛かり、いよいよという所で翔は部屋に違和感を覚えた。
な~んか部屋の上が明るいのだ。
照明の明るさとは違う、赤い光。
赤い光から連想されるのは炎。
火事になってたら嫌だな、なんて思いながらゆっくりと顔を上に向ける。
果たしてそこに広がっていたのは奇しくも、翔が先ほどまで見ていた動画の中に登場していたような幾何学的模様と意味不な文字が書き込まれている――所謂魔法陣と呼ばれている代物であり、アニメやラノベとかでしかお目にかからないようなものを前に
「へ?」
と間抜けな声を漏らすことしかできなかった。
まるで其を合図にしたか如く、魔法陣は瞬間的に赤い光を強め……
光が収まった其処には翔の姿は無かった。
『へ?』
後に違う世界で有名になる彼が故郷の世界に残した何とも間抜けな最後の一言であった。
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