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そうだ。
理解しかけて、和解しかけていたなんて、そんなのは建前でしかなかった。
どんな理由があるにせよ、それを許すことかできなくとも、僕は、束くんを信じて、ゴーレムへの砲撃を任せたのだから。
信じるた言うことは、友情を結ぶこと。
必ずしもそうではないけれど、けど、僕と束くんは確かに、友達だったのだ。
だから、こんなにも苦しくて、胸が張り裂けそうに痛いのだろう。
「私がいてやる。だから、気がすむまで泣け。ゴーレムの暴走の原因は兄さんが調べている。だから、原因がわかるまで、休んでくれ」
椛姉さんの言葉に、僕の涙腺は決壊した。
調査のときも圧し殺していた涙が、止めどなくあふれてくる。
仲間を、友達を死なせてしまった辛さは、際限なく、僕を攻め立てた、
「ほら、荒木もティータも待っている。部屋に戻ろう」
そして、僕は椛姉さんに肩を担がれる形で付き添われながら、仲間の待つ宿舎へと戻っていった。
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