第六話・心の休日

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林間学校中の事故に因り、僕たちは作戦中のゴーレムの動向や、ロスとした上に戦死した束くんの件で事情聴取を受け、僕、椛姉さん、ティータは即時林間学校からの退校、本校での詳しい聴取を受けることとなった。 別に、そんなことはどうでもいいのだけれど、如何せん、訓練校内部の犯行の可能性が指摘されていることに疑問が浮かんだ。 舞姉さんが言うには、僕たちが撃破したゴーレムは、以前訓練校で使用していた旧式のものらしく、ゴーレムの残骸から、日本校の校章が見つかったそうだ。 そして、僕たち作戦参加グループと指揮官であった舞姉さんは現在、本校の会議室で、BAに関する期間のお偉いさんに質問攻めにされていた。 「……ということは、だ。きみ達が撃破した際にゴーレムの武器が発射され、分校の生徒に命中、ロストしたと?」 「ですから、何度も申し上げましたように、彼等のようなルーキーにゴーレムを分校まで運びいれ、尚且つ規定外の威力にまで引き上げられた武器を搭載させるなど、不可能です。それに、彼らには私がついていました」 ぶづちゃけてしまえば、このお偉いさんは僕たちがゴーレムを持ち込んで、故意に暴走させたということにしたいらしい。 子供の見解…というには生々しくはあるけれども、どうにもこのお偉いさんは僕たちを犯人にしたてあげることで、早期の解決を図りたいように思える。 気持ちはわからなくもない。 何せ、わからないことだらけなのだし、あの円さんですら原因の究明には時間を要するそうだ。 「しかしだね、BAに精通するオデュッセイの者がいれば、不可能ではないだろう?」 「確かに、我が国の国営工場とオデュッセイ財閥はライバル企業ではありますが、今回のような事件を起こすメリットはないでしょう」
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