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部室に荷物を取りに行くと 「あれ?葵帰るの?」 と浩美につかまった 「んー。今日、気分のらないから帰るー」 と言うと 「そっかー。気をつけてね」 と何も聞かないでいてくれた きっと、泣いたのがバレたんだと思う。 だって、浩美は部活を勝手にサボる人が大嫌いだから…… 浩美に見送られ 無事、裕也の待つ教室にきた。 「ほら、行くぞ」 と手を引っ張られ、学校を後にした。 そこからは、何故かずっと無言。 もちろん、気まずい空気ではなく どちらかと言えば、心地好い沈黙だった。 そして、いつもの公園にきた。 ベンチに腰かけると 「俺は、離れないから。」 と言ってきた 突然のことで、頭がついていかなかった。 「俺は、いつでも傍にいるから。 葵が、俺を必要としなくなっても傍にいるから。 何度告白されても、俺はお前を、お前たちを選ぶから」 と真剣な表情で言った。 あなたはこの時 どんな想いだったのだろう…… どんな想いで言ってくれたんだろう? あの頃の私には 人の気持ちまで考える余裕なんてなくて 優しいあなたを傷付けていたよね? ごめんね。 でも、ありがとう。  
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