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あたしはなんだか興奮して、彼の顔をじろじろと見つめてしまった。
緑色の髪は、ツンツンに立ててて、本当に芝生みたいに見える。
日本人の黒い髪が、こんなにきれいに緑色に染まるなんて信じられない。
はっ!まさか、外国人!?
でもでも、瞳の色はくろ…黒だよね!?
それにしても、眉間にスッゴい皺がよってるんだけど…跡になっちゃうんじゃない?
結構可愛い顔してるのに、勿体ないなぁ。
なんて悶々と考えていたら、ギロリと睨みつけられた。
「近いんだけど」
見た目に似合わず怖い声で遮られる。
どうやら無意識のうちに、身を乗り出していたみたい。
ヤバイ、またやってしまった…。
「えーっと、ごめんなさい!」
気まずくなって、慌てて頭を下げた。
さすがに、こんな近距離で不躾にじろじろと見るのは失礼だ。
これ以上何かやる前に、さっさと逃げだしてしまおう
と、考えたあたしは、
「失礼しました!」
そのまま、彼の横をすり抜けた。
つもりだったのに、後ろから服を引っ張られて、大きくよろめく。
「それだけ?」
「??それだけ?」
なんだろう…すんごい嫌な予感がする。
「えーっと、それ以外に何かありましたっけ…?」
あたしは、背中に冷たい汗が流れて行くのを感じた。
――だって、この人、すごい目であたしを見てる。
これはもう、睨まれてるっていうより、あれだ、もう
あたし、ガンつけられてる!!
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