序章・ある朝の風景

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「やはり朝は米に限るな」 「その言葉には同意するが、森ノ宮……何故お前がそこに座っている?」 白神家の朝の食卓。そこに、何故かお金持ちのお嬢様である森ノ宮咲弥が、当然のように居座っていた。 「婚約者候補だろう? 他に理由など無い。」 どうも釈然としないが、森ノ宮はそういう考え方らしい。 「咲弥姉が居たって別に良いと思うけどなぁ。寧ろ私はその方が嬉しいよ?」 我が妹・渚も、森ノ宮の事を何故か気に入っていて、知り合ったばかりなのに本当の姉妹のように仲が良い。 「でも、森ノ宮の両親がな……」 「私の両親? それなら問題無いと思うぞ、問題なのはそっちじゃない。他の婚約者候補だ」
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