序章・ある朝の風景

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「私がここに居ると他の候補に知られると、間違いなくお前の首を狙いに来るだろう」 森ノ宮は真顔でそんな物騒な事を口にする。 「……まあ、そんな事は当然私がさせないが。何故だか分かるか?」 「婚約者候補だから、だろう?」 「理由など無い」 理由無く人を守る訳無いでしょうお嬢さんよ…… 「敢えて言うなら、私の妹の悲しむ姿を見たくないのでな……」 何か良い事言ったけど、妹ってのは十中八九渚の事だろう。そうに違いない。 「俺の妹、だからな?」 「馬鹿言え、私達は既に家庭を築いているのだぞ?」 「咲弥姉……それって、えっ?」 あー、森ノ宮が訳の分からん事を言うせいで渚が変な勘違いを……
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