序章・ある朝の風景

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「まあ、お前はあくまで候補……だがな。少なくとも私が選んだのだ、有力だぞ?」 全く嬉しくないけどな!とは言えない。渚は楽しそうだし、言ったところで何も変わりはしない。 「何?兄さんと咲弥姉ってもうそんな関係なの?」 「私が颯真と?まあ、そうと言えばそうだが、違うと言えば違うぞ」 またややこしい言い方をしやがって…… 「だが、渚。お前の思っている関係は持っていないから安心しろ。何しろ私の処女はまだ誰にも奪われていないからな」 「朝からそういう話をすんじゃねぇよ……」 寧ろ高校一年なのに奪われている方がおかしいだろう……常識的に考えて。最近は低年齢化しているとは聞くけどな…… 「兄さん、こりゃうかうかしてられないよ?」 ニヤニヤしながら渚が俺に言う。生憎だが、そのつもりは無い。
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