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パッ……
頭の中にまた映像が写った。
さっきのよりは
はっきりしているようにも思えるが、
何のことかがまだわからない。
思い出せない…
思い出そうとしていると、
病室のドアが開いた。
振り向くと、女の人が立っていた。
彼女は行った。
「ああ、やっとお起きになったのですね。」
…やっと?
…やっと起きた?
女の人はそんな私の心情を悟ったのか、こう言った。
「凜様は、三ヶ月ほどお眠りになられていたのですよ。
今は12月26日です。」
ああ、だから雪が降っていたのか。
なんてなるはずがない。
三ヶ月間も眠りっぱなしだったなんて有り得ない。
なんでここにいるのかさえも知らないのに。
…でも、納得せざるを得なかった。
三日前に怪我をしたはずの膝がすぐに完璧に治るはずがないし、
9月に雪が積もったり、
吹雪になったりするはずがない。
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