Saviors

事故

…でも、
何かがおかしい。

第一、
片付けるのがあんなに嫌いな私の部屋がこんなに整頓されているはずがない。
昨日掃除しました、っていうのなら話は別だけど。
私は昨日家にはいないし、
起きる前の最後の記憶でも、私の部屋はこんなに綺麗じゃなかった。

でも、他の人が私になりすましてこの家で寝泊まりしてました、
なんてあるはずがない。

どんなに私にそっくりな人がいても、
性格だって違うはず。

誰か一人は絶対に気付いてもおかしくないのに、

母親でさえ気付いていなかったなんて…

そしてこの時、私の頭の中には『ある記憶』
が戻りつつあった。

そう、
病室にいたときに見た、
あのとぎれとぎれの映像だ。

でも、あれが本当かどうかはわからないし、
まだ記憶ははっきりしていなかった。