序章

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「ちっ…弱いな…」 紅蓮は肩に鎌を乗せるように置きながらつぶやく 「終わったかしら?」 そこへ凛とした女性の声が聞こえてきた 紅蓮は声のした方に眼を向ける 「ミスターグレン…噂どおりの腕前ね」 女は金色の髪をした西洋人であった 身長は170前後、年齢は30歳前後といったとこか モデルの様な体型の美女であるが… その衣服はマフィアの女ボスのような姿である その周りには…当然のように紅蓮にも負けない体格の男が3人控えていた 女の訛りのある英語はおそらくイギリスあたりの人間であると推測させた 「依頼達成だ…金は指定の口座に振り込んでおけ」 紅蓮はつまらなそうにそう吐き捨てる 「つれないわね…今夜…少し付き合ってくれないかしら?」 女は妖艶な笑みを浮かべながら紅蓮の肩に触れる 普通の男なら一発で落ちるであろう 「ちょっと!!私の紅蓮様に気安く触らないでよ!!」 先に声を発したのは下僕Aと呼ばれた大鎌のほうであった 「あら?グレンはあなたのモノじゃなくてよ?”ミスター”ハデス」 女は紅蓮の鎌がしゃべったことに驚かず、答える 鎌はハデスと呼ばれた。 ミスターの部分に力を込めてこれがおそらく鎌の名前であろう 「キー!!ちょっと!!女だからっていい気になってんじゃな…」 「うるせぇぞ、下僕A」 怒りをあらわにするハデスを紅蓮が一蹴する 「フィア、楽しませてくれるんだろうな?」 紅蓮はフィアと呼んだ女を見下ろしながらニヤリと犬歯を覗かせる 「もちろん、最高の夜にしてあげるわ」 女も妖艶な笑みを紅蓮にむける
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