序章
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奈々の声が個室に響いた。 「 もうやめよ。これ以上傷つけないで。ね、誠?もういいじゃん。アキだって、新しい生活が始まるんだし、宗介のことは忘れようよ… 」 「 奈々…。」 宗介と離婚してから未だに恋ができずにいる私を心配してくれる誠の気持ちも、 もう傷ついてほしくないっていう奈々の気持ちも、うれしかった。 このときの私には真実なんて何ひとつ分かっていなかったから。
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