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「い、今、上がお前の処遇について検討している。残念だが処罰はまぬがれないぞ!」
軍において処罰という言葉は恐怖の代名詞といってもいい。どんな荒い軍属でも、その言葉一つで震え上がる。
だが、この男は違う。
そんな死神の囁きを耳にしても、未だ崩さぬ不敵な笑み。
またしても気圧される隊長の唯一の救いは、数と武器の差だった。
まあこの男の経歴を知っている隊長にとって、それはまるで無意味で意味のないことなのだが。
5分が経ち10分が経ち、ユウトを囲むのは、陸軍部隊とメイスだけとなった。
不意に隊長は耳につけた小型のヘッドセットに手をあてる。そして、ほんの僅かに唇の端を挙げた。
「ふっ、残念だったな。貴様は今日を持って除隊だ」
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