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本当の所、部隊の隊長は安堵していた。かつて生身で敵兵20人に囲まれ、捕まりかけた時、その卓越した対人戦闘で全員死亡させて切り抜けた男だ。
実をいうと、ユウト・カジヤマが騒ぎを起こしたという情報が入ったときから、
すでに上層部はこれを口実にユウトを除隊に追い込むことを決定していた。
包囲を命じられた時には、すでに発砲許可も下りていた。部隊の人間は全員、最悪殺し合いも辞さない覚悟で任務に就いたのだ。
だが、予想に反してユウトは素直を従っている。
それでもその背中は、大人しく歩く草食動物の様な雰囲気はなく、むしろ見るものを縮み上げるトラの様に思えた。
何かある
隊長だけでは無く、その場にいた全ての人間がそう感じていた……
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