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なーんて……
「カッコ付けました!!」
ユウトの叫びは、自分で路上の標識を殴りつけた音で掻き消された。
またしても荒野に、くぐもった低い音が響く。
どれ程イラつこうが、歩かなければ辿り着かない。ユウトは重い足取りで先の見えない道路を歩き続けた。
ほんと、一時のテンションは人を滅ぼすとはよく言ったもの。今現在も、ユウトは崩壊へと向かっている。
どこで選択肢を間違えた……
くっそ、セーブしとけばよかったなんて、今更考えても仕方がない。
いやまあそもそもそんな便利設定、現実にある訳無いんだが。
とりあえず今の彼には歩く以外の選択肢は与えられていない。
軽い現実逃避気味になりながら、ユウトは歩く。
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