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暑い。
目の前には地平線の彼方までアスファルトの海が広がっている。
余りの熱気に視界が揺らぎ、一歩前に進む度に汗が滝のように流れた。
幅は数十m、長さは不明。
滑走路のような道路の真ん中を、ユウトは死んだような目で歩いていた。
どれ程歩いても前方の景色は変わらず、タチの悪いベルトコンベアーの上にいる様な錯覚を覚える。
辺りにはひたすらに荒野と軍用倉庫、後は風化して角が欠けた標識しか見当たらない。
初めは僅かな突起の様に見えていた標識は、近づいて見ると思ったより大きさがあった。
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