1.00 とある凡人の高校生活

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「では、私は先を急ぐので。」 「お前って奴は、親友の名前すら覚えてないのか!? 小川清(おがわ・きよし)だ! 覚えとけ!!」 一々、こんな靴箱で自己紹介すんなよ。 周りから変な目で見られてるだろうが、人の迷惑ぐらい考えろ。 「で、何だよ、何か用でもあんの?」 「名前は覚えたか? どうだ、言ってみろよ。」 ほらほら、あれだろアレ。 確か、清武じゃなかったか? 「違うわ!!それはJリーグで有名な選手だろ!!」 一々突っ込む所が細かいっていうか、マニアックなんだよ。 普通の人なら分からんぞ。 第一なんでコイツ、俺のオアシスでの声が聞こえてんだ? まさかエスパーか何かか!? 「さぁ、チャンスは後一回だ!答えろ!九十九ォォォォオ!」 しゃあないか、ここは一丁やってやるしかないだろ。 コイツで決める!! 「お前の名前は………武だ…」 「違ァァァァァァァう!!! 惜しい!惜しいんだよ九十九!そっちじゃない、そっちじゃ……ない…ん…だ。」 教室の前で叫ぶんな、後、こんな扉の前で落ち込んで倒れ込むな。 通行の邪魔になるだろ。 俺はその屍と化した物体を涼しげな目で確認した後、何事も無かった様に教室に入った。
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