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「では、私は先を急ぐので。」
「お前って奴は、親友の名前すら覚えてないのか!?
小川清(おがわ・きよし)だ!
覚えとけ!!」
一々、こんな靴箱で自己紹介すんなよ。
周りから変な目で見られてるだろうが、人の迷惑ぐらい考えろ。
「で、何だよ、何か用でもあんの?」
「名前は覚えたか?
どうだ、言ってみろよ。」
ほらほら、あれだろアレ。
確か、清武じゃなかったか?
「違うわ!!それはJリーグで有名な選手だろ!!」
一々突っ込む所が細かいっていうか、マニアックなんだよ。
普通の人なら分からんぞ。
第一なんでコイツ、俺のオアシスでの声が聞こえてんだ?
まさかエスパーか何かか!?
「さぁ、チャンスは後一回だ!答えろ!九十九ォォォォオ!」
しゃあないか、ここは一丁やってやるしかないだろ。
コイツで決める!!
「お前の名前は………武だ…」
「違ァァァァァァァう!!!
惜しい!惜しいんだよ九十九!そっちじゃない、そっちじゃ……ない…ん…だ。」
教室の前で叫ぶんな、後、こんな扉の前で落ち込んで倒れ込むな。
通行の邪魔になるだろ。
俺はその屍と化した物体を涼しげな目で確認した後、何事も無かった様に教室に入った。
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