1.00 とある凡人の高校生活

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やっぱりか、あの夢は予知夢だったって事だよな。 真実味に欠けるが、こんな訳の分からん奴が目の前にいる時点で、充分に納得出来る。 だけどな、まさかあんな悪夢が現実になるなんて。 「そのクトゥルフが世界を支配するまでの残り時間は?」 「もって一年だろうな。 ちょうど一年経てば奴の封印が解かれ、地球上から文明は無くなるだろう。」 俺は体の力が一気に抜けていくのが分かった。 あと一年もすれば、あの恐ろしい化け物と魚人共に地球が乗っ取られて、人類は死滅する。 そんな未来を誰が予想出来るって言うんだよ…… 「なんとか奴の地球侵略を食い止める方法はないのか? 軍隊を使えば勝てるんじゃ……」 藁にもすがる気分でヨグ=ソトースの答えを待つが、返ってきた答えは俺を更に絶望の淵へ叩き込んだ。 「人間如きが幾ら集まっても、掠り傷すら付けられんよ。 まぁ、邪神の力かこの地球の神々に頼れば何とかなるかもしれんが、そんな連中に味方になってもらえる確率なんて皆無に等しいだろうな。」 「じゃあ、一体どうしろって言うんだよ!! 俺達人間に、素直に滅びを受け入れろとでも言う気なのか!?」 「あぁ、その通りだ。 人間なぞ、所詮は神々の手の上で踊らされている人形に過ぎない。 もっとも、お前は世界を変える素質がある、お前に世界を変える意志があるなら力を貸してやっても良いが。」 ヨグ=ソトースの口調は静かで重く、そして端的だ。 奴の言ってる事は紛れもない真実。 全てが現実味を帯びている。 多分、このままだと本当に人間は地球からその名前を消すだろう。 だが、今は何とかしてこの未来を変えたい。 面倒事は嫌いだが、それを超える何かが俺の中で強くなった。 「アンタが人間の味方になってくれんのか?」 「私がか? おいおい、冗談は止めてくれ。私はそんな事はせんよ。 私は私を求める者の素質を見極め、力を与えるか否かを決める。 只それだけだ。」
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