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若干の気だるさと、遥との一件のせいで学校に行くのが憂鬱になっていた。
いっその事、今日の記憶が全部無くなればいいとか思ったりもしたが、やはり嫌な事から逃げるのは良くないという在り来たりな教訓が俺の頭には残っていた。
そんなこんなで、学校には数分で着いてしまった。
いつもと代わり映えしないこの景色………うん、最高だ。
やっぱり平和が一番だな、この世の中。
俺をそんじょそこらの痛い連中と一緒にするのは止めてくれ。
そんな、代わり映えしない世界が壊れないかな~とか、世界が変わらないかな~なんて考えてる輩は何を言ってんだ。
世界が壊れるなんて冗談じゃない、平和で良いんだよ、平和で。
「うーす!九十九。」
「うっす…………」
………誰だっけ?
ヤバいぞ、名前忘れちまった。
考えろ!考えるんだ俺!
クラスに必ず1人はいる筈だ、顔は見たことある、しかし名前が咄嗟に出て来ない、お前の名前は何なんだ!?
取り敢えず、その場の雰囲気で流しておこう。
あんまり面倒事は好きじゃない。
「さぁ、朝からクイズです!
俺は今、何を考えているでしょうか?」
朝っぱらからテンション高いな、コイツ。
朝一番のコミュニケーションがクイズとかどんな神経してんだよ。
「昨日のドラマで、主人公の男が元カノの彼氏と、くっ付いちまった事か?」
「違うわ!!!
だけど何だよそれ!?一体何が起きてんの!?」
やっぱりテンション高いじゃん、コイツのノリに合わせる気力は今の俺には皆無だ。
適当に無視ってスルーしておく、これ以上は付き合いきれん。
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