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「人生なんて全て嘘で出来ている。」
そういえば昔こんな事を言った人がいた。
その人は僕を目の前の椅子に座らせて、まるで僕じゃない誰かに語りかけるように『優しく』それでいて『恐怖』を植えつけるように僕に言った。
そんな体験をしても僕はあの人が言ったことはあながち間違いではないと思う。少なくとも僕はあの人に賛同する。
それは何故か。そんなの僕に分かるわけないだろう。
ただあの人に賛同できると思っている理由は、多分僕自身『嘘つき』だからだろうよ。だからあの人の考えていることは分かる。
ただ、ああすることでしか生きていけない人間ということだけさ。
さてさて、そんな僕でも人並みに普通の生活をしてる。ちゃんと学校だって行くし、一応家族も居れば友達だっている。
まあそれなりに人間に定められた人生は外れず、真っ直ぐ歩んでるつもりだ。
ああでも、一つだけ人とは外れていることがあった。
僕の嘘を除いて。
多分、世間一帯から見ると僕は優秀で何でもできる優等生に見えているだろう。いや、見えている。でも、そんな僕には唯一の欠陥がある。
それが僕の嘘。
僕はこの世界の全てを嘘で騙してきた。今僕が立っているこの地位だって僕が嘘で手に入れたものだ。何があっても嘘は誰にも見破られない。いや、見破らせない。
それくらい僕にとって嘘は超がつくほど大事。今までも見破られたこともないし見破らせる気もさらさらない。
どうして?愚問だな。
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